平成二十八年大相撲一月場所・十三日目感想。

・初場所ももう、十三日目!!「いよいよ始まったか!!」と思ったら「もう中日!?」と思ったら「もう終盤戦!?」あっと言う間ですね~、ホント。


・御嶽海が五勝目を挙げ、幕内残留を確定的にさせました。番付発表の前だし、「決定!!」と言えないのがもどかしい所。でも、二日の休場があったりしながらも潜在能力は伺わせる相撲で明日以降、更には来場所への期待も膨らみますな!!遠藤が怪我の治療に専念している間に水を開けたい所ですね。


・豊響-蒼国来戦では珍しい決まり手「後ろもたれ」が、出た!!押し出すなり寄り切るなり投げるなり、相撲で勝負が決まる時って相手とある程度正対してる態勢ですよね。勢い付いてショルダータックルになっても横向きだったりする…けど、ごく稀に「背中で押し出す」事もあったりして。「後ろもたれ」の決まり手は文字通り背中でもたれ掛かるような態勢で相手が土俵の外に落ちるって感じ。勿論狙って背中で押し出すなんて無理なので(苦笑)、たまたまそういう形になると珍しい決まり手、いわゆる「珍手」は発生します。本場所中に何回出るか分かりませんし、幕内のみならずBSでは昼過ぎから大相撲中継やってるから見てみると意外と見られるかもよ!!録画しておくと珍手も見逃さないし、十両・幕内に上がって来そうな力士もチェック出来て安心ですね(ステマ)。


・安美錦と琴勇輝の一番。立ち合いで真っ直ぐ当たって行った安美錦を、右に変わった琴勇輝が叩き込みで八勝目を手にして勝ち越し!!以前、安美錦から食らった変化を「やり返した」そうです。「すみません」と反省の弁も口にしていたそうです。立ち合い変化と言えば、今や安美錦の専売特許みたいな所はありますね。まさかの琴勇輝の変化に敗れた安美錦は「変化は食う方が悪いですから」とサバサバとした表情だったとか。武器にしてる以上は立ち合い変化の批判は出来ない…っていうか、正論だよね!!立ち合い変化での引き・叩きを食わないくらいの足腰を鍛えろって事ですね。安美錦はソレを逆手に取って老獪に生き残っている訳で。幕内最年長で平幕一桁の番付に居るって事自体凄い!!裏を返せば、そういうベテランを引き摺り下ろせない若い衆が不甲斐無いって事なんですね。嘉風の活躍にしても、若手が奮起すれば平均年齢も下がるってもんだと思います。


・只、琴勇輝の「人差し指から小指までまとめてテーピングで固めてる」アレはどうなの?って思います。凶器っぽいし、逆にまわしを掴むのに不利だろって思います。その辺のデメリットは承知の上で固めてるんでしょうけどね。そんで切符の良い相撲を貫くってんならまだ分かりますが、安美錦相手に変化食らったからってやり返してるようじゃあ見込みは無いなって思います。「やれるもんなら何度でも動いてこんかい!!」ぐらいの気概で相撲取って欲しいですよね。「ポゥ!!」の気合いもなんなんだって話です。とりあえず勝ち越した琴勇輝ですが、来場所は番付上げて横綱白鵬との取組も組まれそうです。嘗て横綱白鵬は琴勇輝の「ポゥ!!」について苦言を呈した事がありました。まぁ、やるのは勝手だけど。相撲は相撲だからね。今日の安美錦戦を見るだに白鵬には「まぁ、出直して来い」って転がされるのが関の山でしょうね。余談ですが、先場所照ノ富士相手に「ポゥ!!」ってやったら明らかに照ノ富士が表情からしてキレてて(苦笑)。相撲では一蹴されたのが印象深いです。


・場所も終盤になると上位同士の取組が組まれますね。関脇栃煌山と大関豪栄道の一番。どっちもパッとしない今場所ですが、よりパッとしない豪栄道が負ける、という一番になりました。パッとしないとはいえ、栃煌山は明日の琴奨菊戦に向けて闘志を燃やしてないワケが無いですからね…って言ってもやっぱり豪栄道がダメだ…。来場所御当地でカド番になるけど、大人しく関脇に落ちた方が本人の為になるんじゃないの?って思います。あんなのが大関なら大関なんて地位なんて無くていいと思います。中堅~ベテランの域に入っている嘉風が「大関を目指す」と意気込んでいるのに失礼だとも思います。たまに横綱に勝ったりするだけなら平幕でも出来るもん。


・今日のメインイベント。大関琴奨菊と平幕豊ノ島の一番!!小学生の時から豊ノ島を知る琴奨菊。中学の時の初対戦で負けたのが悔しかったという豊ノ島。共に同じ時に角界入りし「一緒に関取になれたらいいね」と語り合った仲。豊ノ島は自ら「ドラマになるかも」と語り、その言葉通りドラマにしやがった!!旧知のライバル対決で敗れた琴奨菊は悔しくないワケがなく、取組後の風呂場からは絶叫がこだましたとか。「日本出身力士の優勝」への望みを遠ざける一因を作った豊ノ島。望みは遠ざけつつも「そう一筋縄では時代が動かない」とばかりに勝負に徹した豊ノ島が、琴奨菊より力士としても役者としても一枚上手だったのかもしれませんね。たまたま全ての歯車が噛み合っていた琴奨菊に対し、たまたま怪我の調子も良好で隠岐の海との一戦の誤審により勝ち星が伸びて大関戦が組まれ、更に緻密な歯車が噛み合っていたのが豊ノ島だった、とも言えるでしょう。


・この琴奨菊の今場所初黒星を目の当たりにして横綱白鵬が燃えないワケが無い!!鶴竜との横綱対決を制し、一敗で大関琴奨菊と並んだ横綱白鵬。琴奨菊戦から続いてる立ち合いの悪さが今日も出たんだけど、鶴竜がもっと良くなかったですね。日馬富士か琴奨菊ならあのまま勝ってた?ってくらい白鵬の立ち合いは良くなかったです。けど、リカバリーは流石で鶴竜がリカバリーまでに攻めきれなかったってトコですかね。もっと厳しく行かないと鶴竜は生き残れませんな。立ち合い変化で生き残れるような地位じゃないもんね、横綱は。


・結びの一番は横綱日馬富士が大関稀勢の里を破り、二敗で優勝争いに残れるか…!?ってのが見どころでした。白鵬同様、琴奨菊が一敗した事を受けて燃えないワケがないのが日馬富士の気質。そもそも稀勢の里を「ライバル」と認め、毎場所取組前日には「燃えられる相手だから楽しみ」ってよく語ってる相手。稀勢の里とて、このまま終わる訳にはいくまい…と、思ったら。


・…日馬富士、完勝?


・立ち合いから当たり勝った日馬富士が稀勢の里を押し出そうと思ったら、稀勢の里は苦し紛れの突き落とし。物言いが付いて。まぁ、微妙だったけどね。日馬富士の手が先に付いてる、とも言えるけど稀勢の里の体は完全に「死に体」だったし。まぁ取り直しが妥当かもしんないけど、「相撲の流れ」で言えば日馬富士有利でしょ。って、思ってたんです。したら、割と物言いの協議が長引いて。何を協議してるのか分かりませんでしたが、言い合うなら日馬富士の勝ちか取り直しか、くらいだし。日馬富士有利でいいじゃん?結びの一番で時間無いし。と、思ったら。


・日馬富士の手が付くのと稀勢の里の体が落ちるのを同時と見て、取り直し!!


・それならそれでいいけど、協議なげーよ!!NHKの大相撲中継も長引いたしさー。そんで取り直しの一番で


・日馬富士、完勝!!


・立ち合いで当たり勝った日馬富士が寄り切って勝利。結果論だけど、めっちゃ無駄な時間んだったね!!余談として、寄り切った後に日馬富士が稀勢の里にダメ押しで土俵下に落としたんですよ。日馬富士は勝ったと思ったら物言い付いて、散々待たされた挙句に取り直しで、取り直したら取り直したで相手の稀勢の里がこんな体たらくか!!ってイラついたんでしょう。


・ダメ押しは、良くないよ!!でも、不思議な事にダメ押しについての言及の記事が現時点(23:45現在)で上がって来ないという(苦笑)。日馬富士に寄り切られた稀勢の里が土俵下に落ちて、井筒親方にぶつかったんですよ。まぁ、大相撲ファンから井筒親方への思いを日馬富士が代弁してくれたって事だと思います。日馬富士本人としては「散々待たされた挙句にこれかよ!!」って気持ちが大きかったんじゃないかな?ソコもそうだけど、井筒親方と言えば隠岐の海-豊ノ島戦の誤審です。リプレイで見ても隠岐の海が勝ってたのに豊ノ島が勝ったっていう誤審の一番ですね。アレが無ければ琴奨菊と対戦していたのは隠岐の海だったかもしれないし。どう見ても誤審だったのに、井筒親方は誤りもせず「勝負の流れだから」とか「生(ライブ)で見ているのとは違う」みたいな事言って批判を突っぱねたんですよね。アレには流石に「はぁ!?」って思ったし、そうじゃなくても今場所は誤審とまで行かなくても「微妙な判定」に対する物言いが無かったり、物言いが遅かったりって事も多いし…今日の徳勝龍-松鳳山戦は「よく見てた!!」って思ったけどね。それでも、審判に対する不信感って、募るんですよ。


・とりわけ井筒親方の物言いから「協議の結果」の説明ってわかりにくいんです。「~が、~が」って感じで、お客さんが「おっ!?取り直しか!?」ってぬか喜びするような説明で。そんで「~といたします!!」ってキレ気味で終わるっていう。協議の結果の説明はともかく、隠岐の海-豊ノ島戦についてはあらためての弁明が欲しいですね。そんな井筒親方なだけに、今日稀勢の里を落とした日馬富士へは全世界から喝采が送られた事でしょう。


・琴奨菊次第ですが、このまま白鵬と日馬富士が走って千秋楽で横綱決戦ってのが座りが良い気がして来ました。


・明日も、大相撲に期待!!




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