平成二十八年大相撲三月場所・二日目感想。

・「荒れる春場所」二日目。怪我で勝ち星が伸びないまま十両に落ちた遠藤。今日初白星。「勝って怪我が治るわけじゃない」としつつも「勝つっていいですね」とも。日本人力士のホープとして期待されながらも、怪我で周囲からの期待とは裏腹に番付を落としてしまった男の言葉は染みるねぇ。浪花節で終わらずに、しっかり上に行って欲しいですね。


・遠藤と同じく怪我で幕内から落ちてしまったのが大砂嵐。遠藤は正統派の道を行くだろうけど、大砂嵐も着実に相撲身に付ければ身体能力も相俟って大化け必至だもんなぁ。昇進・陥落と奇しくも「同期」になっている遠藤と大砂嵐。これからドラマが生まれていくんでしょうね。怪我治すのが前提ですが。


・幕内では大坂場所って事で、御当地の勢への声援が凄い!!同じく御当地である大関豪栄道への声援も大きいけど、大阪に限らず何処へ行っても声援の大きい人気者の勢。「愛される力士」から「実力者」へと着実に地力を付けてるってのがお客さんも分かるんですね(時間前の仕切りでの客席からのコールや手拍子ははっきり言って無粋ですが)。後は「上」へ行くだけだ!勢!!


・今日の大関陣。揃って白星!!稀勢の里は落ち着いて行けばストレート給金とか当然って気がするんですけどね。何故か負ける…けど、今場所は琴奨菊に刺激受けて相乗効果が期待出来るかな!?どうかな!?手負いの照ノ富士は巨漢・碧山を寄り切って二連勝。何度も言うけど、無理して怪我の悪化とか怪我増やしたりしないようにね。琴奨菊は今の所綱取りのプレッシャーや場所前の稽古不足は影響無さそう。中盤~終盤のスタミナがどうかな~って所かな。豪栄道は御当地でそうそう負けられないんだろうけど、栃煌山相手に悪癖の引きが出たりして、栃煌山も調子悪そうでソコに救われたって印象の方が強いなー。何度も思ってるけど、関脇時代の相撲忘れたのかな?


・大関陣に続き、三横綱も安泰!!日馬富士は隠岐の海相手に立ち合い当たってから光速で左上手を取りに行く相撲で隠岐の海を上手投げで下して二連勝。ラジオ中継で岩木山の関ノ戸親方が日馬富士のこの相撲について苦言めいた事を言ってました。「真っ向勝負じゃないの?」って疑問は最もだけど、日馬富士の「立ち合いで左上手を取りに行く動き」には二種類あって、この二種類って分け方も微妙で。って言うのは立ち合いで当たった瞬間に左上手を取りに行く動きが速過ぎて「変化」とも取られるって事ね。立ち合いで当たってから左上手投げ、の流れもあれば立ち合いで当たらないまま左上手投げ、の流れもあります。後者なら「立ち合い変化」の批判は致し方無いでしょうけどね。只、これは日馬富士の最大の武器である「速さ」故起こり得る現象であり、例えば立ち合い互いに踏み込んで居れば「立ち合いで当たって光速で左上手を取りに行く」流れになり、相手の立ち合いの踏み込みが甘いと日馬富士が当たらないまま左上手を取りに行く流れになるんですね。日馬富士は当たる立ち合いで前提で上手を取りに行く動きを決めている事もあり、これは横綱昇進後怪我等に悩まされ試行錯誤した結果の取り口であると言えるでしょう。変化に見えても非常に微妙なタイミングで日馬富士が速過ぎるが故にそう見えるって事だと思います。贔屓力士なので擁護しますが「日馬富士は真っ直ぐ来るか、真っ直ぐ来て直ぐ様左上手取りに来る」ってもう皆分かってるでしょ?なら対策してよって話ですね。「変化は食う方も悪い論」とは別の次元の話だと思います。あからさまな変化した時は白旗上げるしかありませんが(苦笑)。


・鶴竜は昨日の黒星からしっかり立て直して厳しい攻めで高安を押し出し!!鶴竜はケチの付かない優勝しないとね。白鵬は以前「ポゥ!!」を批判した因縁の琴勇輝と対戦し、信念を曲げずに横綱の目の前でも「ポゥ!!」をカマした琴勇輝をかち上げも交えた厳しい攻めで押し出して初日が出ました。取組後には柔らかい表情ながら「これが結び。出直してこい」と威厳を見せるのも忘れませんでした。因縁の相手には厳しい相撲で臨む白鵬らしい一番でした。個人的に琴勇輝の「ポゥ!!」はどうでもいいんですけど両手の人差し指~小指をテーピングで固めてるやつ。アレこそどうなの?って思います。突きで攻める上では有効だろうけど、突き押しだけが相撲じゃないし、親指以外の指テーピングで固めてるようじゃあ組み合ってからの腕力(かいなぢから)も何もあったもんじゃない。テーピングは武器じゃないんですよね。まだ若い癖に立ち合い当たってからの引き・叩きを武器にする千代大龍、木偶の坊の逸ノ城らと共に個人的に「幕内で何回勝ち越そうがその相撲じゃお客さんに失礼だから十両から出直して来い」って力士に入りますね。


・明日も、大相撲に期待!!




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